東北新幹線の歴史

東北新幹線開業と東北本線優等列車の変遷[編集]宇都宮線区間東北本線の一部として東北地方各地-関東地方栃木県各地-東京を結ぶ広域都市間輸送機能を主体としていた時代には、最盛期で毎時2-3本の東京-東北間長距離特急・急行列車、および1日数本の長距離普通列車が往来し、長編成の貨物列車も定期運行されていたが、1982年(昭和57年)の東北・上越新幹線開業にともない東北新幹線経由の輸送体制にシフトし、同年11月のダイヤ改正では特急「はつかり」・「ひばり」や急行「日光」などが当線区間から姿を消し、1985年(昭和60年)の東北・上越新幹線上野駅乗り入れに至っては特急「つばさ」・「あいづ」各1往復が残るのみとなった。また、東北新幹線上野駅乗り入れ後も宇都宮線区間内で毎時1-2本運行されていた「新特急なすの」も、1990年(平成2年)までにその大半が東北新幹線「あおば」に移行、もしくは快速「ラビット」に格下げられ、朝夕の新宿駅発着の通勤特急として1.5往復(毎日上り2本、下り1本)が運行されるのみとなった。

こうした経緯を経て、東京-東北間長距離昼行列車の運行は東北新幹線に引き継がれ、東北本線上野駅-黒磯駅間の空いた運行枠には、大規模需要が見込まれていた中距離電車(中電)が増発されることとなり、当時東北本線黒磯以南の中電の主力であった115系が全国から集められ、上野駅-黒磯駅間の普通・快速列車が増発・長編成化され、結果的に上野駅-黒磯駅間の東北本線区間の機能は首都圏内輸送に特化されることとなった。上野-小金井間には全国的にも類を見ない115系普通車のみによる15両の長編成、上野-宇都宮・黒磯間でも11両編成と高輸送力を有する普通列車が数多く往来した。東海道線では1編成15両のうちグリーン車2両を含んでおり、編成あたりの輸送力は宇都宮線高崎線常磐線も同様)が上回っていた。増発本数は、上野駅-宇都宮駅間で毎時2-3往復程度(従前:毎時2-3往復、現行:毎時4-5往復)、宇都宮駅-黒磯駅間で毎時1-2往復程度(従前:毎時1-2往復、現行:毎時3往復)である。さらに快速列車も30分-1時間毎で運行されるようになり、中距離旅客の利便性は格段に向上し、時刻表を気にせず列車を利用できるようになった。

1990年(平成2年)に本区間は公式に宇都宮線の愛称が付されることとなった。宇都宮線の愛称が付された後も、上野駅-秋田駅間に「つばさ」1往復と同駅-会津若松駅間に「あいづ」1往復が定期昼行長距離列車として残されていたが、それぞれ1992年(平成4年)の山形新幹線開業および1993年(平成5年)12月ダイヤ改正にともなって宇都宮線区間からは姿を消し、これをもって黒磯駅以北へ直通する定期昼行長距離列車は消滅した。一方、東北新幹線開業後も東京-北海道間輸送や、新幹線の到達していない東北地方各地への輸送を担っていた夜行長距離寝台特急や夜行急行は多くが1990年代まで存続したほか、1988年(昭和63年)の青函トンネル開通後は、青函連絡船経由で東京-北海道間輸送を担ってきた寝台特急はくつる」・「ゆうづる」(2002年までに全廃)・「あけぼの」(1997年運行経路変更)に代わり、上野駅-札幌駅間を直通する寝台特急北斗星」(1988年から)・「カシオペア」(1999年から)などが順次運行を開始し、現在も継続して運行されている。

2010年(平成22年)12月4日、戦後高度経済成長期以降、継続設定されてきた宇都宮線内で完結する優等列車のうち、唯一残されていた特急「おはようとちぎ」「ホームタウンとちぎ」1往復が、利用者減少を理由として廃止され、大宮以北の宇都宮線駅に停車する定期優等列車は北海道方面の寝台夜行列車「北斗星」・「カシオペア」のみとなった。以上の経緯を経て、現在、大宮以北の宇都宮線区間を走行する優等列車は以下のとおりとなっており、東京を起点とする主要幹線で唯一、線内沿線の利用者が東京方面間のアクセス時に利用できる優等列車が皆無の路線となった。

東武鉄道直通特急「きぬがわ」・「日光」・「スペーシアきぬがわ」(毎日4往復)
新宿駅-東武日光駅鬼怒川温泉駅
2006年(平成18年)3月18日に運転開始
寝台特急北斗星」・「カシオペア」(毎日1往復・カシオペアは臨時列車)
上野駅-札幌駅
宇都宮線の運行体系の変遷[編集]宇都宮線でも首都圏の中距離輸送力増強の流れと並行して運行合理化が進められ、複数行先列車(上野駅-黒磯駅日光駅など)や日光線直通列車(上野駅-日光駅)の廃止、上野口出発ダイヤと宇都宮駅-黒磯間ダイヤのパターン化、それに伴う烏山線直通列車(宇都宮駅-烏山駅間)の削減、池袋駅新宿駅発着列車の新設と増発、池袋駅新宿駅発着宇都宮線列車と同東海道線横須賀線列車の相互乗り入れ化(湘南新宿ライン)などを経て、2004年(平成16年)10月16日に現在の運行形態(上野駅-宇都宮駅宇都宮駅-黒磯駅の運転系統分離、湘南新宿ラインの増発・パターンダイヤ化、普通列車へのグリーン車連結(宇都宮以南のみ)、編成組成のパターン化など)に至っている。2006年3月18日改正で、宇都宮-黒磯でグリーン車区間拡大、東武鉄道直通特急の運転開始、2006年(平成18年)7月8日のダイヤ改正では、15両編成普通列車の大増発および宇都宮までの運行区間延長(従前は小金井まで)が実施されたほか、上野駅-黒磯駅間を直通するE231系基本編成(グリーン車連結編成)の増発が実施された。

2008年3月15日改正では、下り普通列車データイム発車時刻パターン変更が行われた(久喜接続の快速列車が前倒しされた)。2010年12月4日改正では、特急「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」廃止、日中の小金井発着列車の一部を古河発着に短縮する変更が行われた。将来の計画[編集]東北新幹線の東京乗り入れに伴い秋葉原駅-東京駅間で東北本線の列車線が分断した形になっていたが、このほど2013年度を目標に、秋葉原駅-東京駅間が再度線路で結ばれ、宇都宮線高崎線常磐線の列車と東海道本線の列車とが相互乗り入れすることが2008年3月にJR東日本から発表されている(東北縦貫線計画)。宇都宮線区間で快速運転した列車の沿革[編集]本項には急行列車ならびに特急列車、およびかつて存在した準急列車以外で、宇都宮線区間で快速運転(および途中駅の通過運転)を行った列車の沿革を記載する。