運行形態はこうなってる

普通列車・快速列車は、上野駅発着の列車と、池袋駅新宿駅を経由して東海道本線横浜駅大船駅および横須賀線鎌倉駅逗子駅まで直通する湘南新宿ラインを中心に、高崎線直通列車、両毛線直通列車、日光線直通列車、烏山線直通列車が設定されている。平日帰宅ラッシュ時下りのみ「ホームライナー古河」が設定されている。このほか、東京と栃木県北西部地区を結ぶ特急列車「日光」・「きぬがわ」、同じく北海道方面を結ぶ寝台列車北斗星」・「カシオペア」、および高崎線方面の特急列車が当線経由で運転されている。日中は上野発着の宇都宮線列車が毎時4往復、湘南新宿ラインが毎時2往復(うち1往復は快速)が設定され、上野駅-大宮駅間は、併走する京浜東北線電車に対する快速線の役割も果たしている。普通列車の運転系統は、宇都宮駅を節として南北で分離されつつあるが、2006年7月のダイヤ改正では、削減傾向の上野駅-黒磯駅間の直通列車が増回され、また車両運用に絡んで小金井駅-黒磯駅間の区間列車が新設(宇都宮駅乗り換えから小金井駅乗り換えに変更)されるなど、柔軟なダイヤ設定となっている。

宇都宮駅を境に南側ではグリーン車を組み込んだ10両編成または15両編成の近郊形E231系電車(4ドア車)を中心に、また北側ではグリーン車無しの5両編成の211系電車(3ドア車)を中心に運転されている。快速列車は、ほぼ全列車が最新型のE231系電車で毎時1本運行されている。いずれも小山駅以南でのみ通過運転を行い小山駅以北は全駅に停車するため、その所要時間は上野駅-宇都宮駅間で1時間30-40分程度、大宮駅-宇都宮駅間で1時間5-10分程度となっている。快速「ラビット」が小山駅以北でも通過運転していた時代には、旧式近郊型電車の115系電車が上野駅-宇都宮駅間を毎時1-2本、所要時間1時間25-30分程度、大宮駅-宇都宮駅間を1時間程度で結んでいた。また、過去に宇都宮線区間内で事実上利用可能であった最速列車は昼行特急の「はつかり」や「やまびこ」、「ひばり」、「やまばと」、「つばさ」などで、当時上野駅-宇都宮駅間を1時間10分程度、大宮-宇都宮間を50分で結んでおり、2010年(平成22年)12月現在の同区間の最速かつ唯一の定期優等列車である東京-北海道間を結ぶ全席寝台の特急「北斗星」は上野駅-宇都宮駅間が1時間24分、大宮駅-宇都宮駅間が60分弱であるから、寝台客車特急と昼行電車特急を単純には比較できないものの、中距離区間の最短所要時間は過去より延長している。

首都圏では年末年始終夜運転を実施しており、宇都宮線では『終夜臨時列車』の扱いで湘南新宿ライン(宇都宮-逗子間)が毎時上下各1本運転されている。なお、2005年以降は上野駅発着列車の終夜運転京浜東北線および高崎線のみとなっており、大宮で相互接続を行う。

特急列車
2010年(平成22年)12月4日のダイヤ改正で「おはようとちぎ」「ホームタウンとちぎ」が廃止されたため、事実上、宇都宮線区間内で利用可能な特急列車は消滅した。池袋駅新宿駅東武日光線沿線を結ぶ東武直通特急「日光」・「きぬがわ」(定期列車は毎日4往復)、北海道方面への東北本線寝台特急北斗星」・「カシオペア」(毎日1-2往復)が運行されているのに加え、東京方面と茨城県福島県浜通り宮城県方面を結ぶ常磐線特急「ひたち」、群馬県方面とを結ぶ高崎線特急「あかぎ」・「草津」、東北地方を結ぶ寝台列車「あけぼの」が当線経由で運行されているが、すべてが当線経由で東京と他線区沿線を結ぶ列車のみとなっている。

ホームライナー古河
ホームライナー古河3号(2007年8月上野駅)現在は新潟車両センター485系6両で運転されている。1984年運行開始の大宮行の「ホームライナー大宮」を延長する形で1988年7月6日運行開始した。平日夜間に下り2本のみ、いずれも上野駅発で運転されている。乗車可能駅は上野駅のみで、浦和駅、大宮駅、東大宮駅、蓮田駅久喜駅古河駅は降車のみの扱いである。座席定員制であり、乗車するにはライナー券が必要である。使用車両は1号が185系200番台7両(田町車両センター)、3号が485系6両編成(新潟車両センター)、グリーン車も連結されているが、当列車では普通車扱いとなっており、ライナー券のみで着席できる。かつては新宿発の5号(停車駅は新宿駅池袋駅・大宮駅・以北同停車駅)も運転されていたが、2008年3月15日のダイヤ改正で廃止された。

上野駅発着普通・快速列車
快速「ラビット」
朝夕時間帯に運転される快速列車。国鉄時代に運転を開始した途中駅を通過する普通列車が始祖であり、その後無名の快速列車を経て1988年に「ラビット」と命名され、下り9本・上り8本で運行を開始した。その後、新特急「なすの」の需要を近距離新幹線「なすの」(当初は「あおば」)と分ける形で増発され、日中毎時1-2往復、毎日下り12本・上り10本が運行された。土曜休日ダイヤが導入されると夕方・夜間の通勤快速も土曜休日に限り快速「ラビット」として運行されるようになったため、土曜休日ダイヤでの快速「ラビット」の運行本数は下り18本・上り17本に達した。

命名当時小山駅-宇都宮駅間でも通過運転を行っており、同区間の停車駅は石橋駅のみだった。後に、土曜・休日のみ通勤快速に代わって小金井駅自治医大駅雀宮駅にも停車する快速「ラビット」が運行されるようになり、1995年12月1日のダイヤ改正ですべての列車が小山駅-宇都宮駅間の各駅に停車するようになった。

2004年10月16日のダイヤ改正では日中の快速「ラビット」は解消され湘南新宿ライン快速へと再編された。現在、平日は上野発下りの2本が運行される。土曜・休日は、この下り2本に加え平日夕方以降に運行される通勤快速に代わって下り5本・上り6本が運行される。車両は、E231系小山車両センター)および、土曜・休日の下り1本のみ211系15両(高崎車両センター)が使用される。上野-宇都宮の所要時間は1時間29-40分。列車によっては小金井駅で増解結するものや、小山駅東北新幹線と接続する関係で約10分の所要時間の開きがある。

新宿駅改良工事などの大規模工事で湘南新宿ラインの運行ができない場合、湘南新宿ラインの快速は上野駅発着の快速「ラビット」として運行される。