行政

宇都宮市は栃木県の県庁所在地であり、市行政機関はもちろん、県庁施設や国の出先機関も存在する。市行政機関はエリア拡大・人口増加に伴い地域分化が進んでおり、市役所の一部窓口手続き業務は地域の市民センターで行うことが出来る。また各機能施設は中央集中のみならず、各地分散が適度に図られている。

▼農業
2004年の全国市町村別農業産出額において、宇都宮市の産出額県内順位は那須塩原市大田原市に次いで第3位、全国順位は第47位の出荷額である。県内自治体における耕地面積は那須塩原市に次いで広く、県内第2位であった(2004年)。宇都宮市の農業特産品は和なしや洋ランで、何れも全国市町村別産出額(2003年)において県内第1位、全国でも第7位であった。宇都宮は国内有数の米の産地でもあり、市町村別産出額(2004年)は大田原市に次いで県内第2位、全国でも第17位であった。野菜類ではトマトの産出額が多く、2003年の市町村別産出額で県内第1位、全国でも第19位であった。第1次産業に代わって第2次産業や第3次産業の人口が増大している中、市は農業政策事業の一環として宇都宮市農林公園にクラインガルテン市民農園)を設け、市民に有料ながら耕作環境を提供しているほか、同所で種々の農業体験・講習会などを定期的に開催し、市民が農業に触れる機会を提供している。

▼工業
2005年の宇都宮市の製造品出荷額は1兆5千万円を越え、栃木県の市町村で1位、全国の市町村で28位の額となっている。出荷額の内訳は、機械器具等が最も多く5千億円を越え、次いで飲料・食品等、化学工業品であり、典型的な内陸型製造産業を中心とする。

宇都宮における製造業は、主に以下の工業団地・企業によって営まれている。

宇都宮工業団地
市東部に位置する宇都宮工業団地は1962年から1975年にかけて分譲された、宇都宮で最も古い工業団地である。総面積は300万平米、工場用地だけでも240万平米を有し、現在も100を越す製造業者が入居している。入居業者の業種は機械器具製造、食品・飲料製造、印刷等である。近年では新鋭の清原工業団地への機能移行に伴い、年間製造品出荷額は約3千億円程度まで減少している。

クボタ、パナソニックカルビー日本信号、利根コカコーラ、マ・マーマカロニ、栃木明治牛乳、三菱製鋼東京スタイル廣済堂古河電気工業など。

市東部・鬼怒川の東岸に広がる清原工業団地は、1974年から1988年にかけて分譲された工業団地で、総面積390万平米、工場用地260万平米。入居事業者は電子機器、化学工業、食品・飲料・たばこ、機械器具・部品製造など。年間製造出荷額は宇都宮市総出荷額の2/3にあたる約1兆円程度。

キヤノンパナソニック長府製作所中外製薬久光製薬帝人デュポン、日本たばこ産業第一屋製パンカルビー、マルハ、住友ベークライト日本ペイントミツトヨ、東京製鐵、日本山村硝子、東京応化工業、日圧電子部品、清原住電、宮島醤油、カルソニックハリソン、エムイーエムシーなど。

市南東部に位置する瑞穂野工業団地は1977年から1983年にかけて分譲された工業団地で、総面積は30万平米、工場用地が20万平米と敷地面積は比較的小規模であるが、入居事業者数は80社を越える。入居事業者の主な業種は、自動車・家電製品等の周辺部品や梱包用材製造業者など。年間製造品出荷額は約160億円程度。トーホク、日本ポーチフレーバー、日邦工業、宇都宮ヤクルト販売など。

その他
富士重工業宇都宮製作所:当事業所は中島飛行機宇都宮工場として戦時中に整備され、戦闘機生産拠点として旧日本陸軍四式戦闘機「疾風(はやて)」(四式戦)の生産ラインが置かれた。戦後は鉄道車両生産拠点(2002年3月末までに東武8000系東武9000系東武10000系東武10030系東武30000系、キハ22形、キハ40系、キハ58系(28形,58形)、キハ81系はつかり」形、キハ82系キハ181系キハ183系キハ185系、キハ85系カシオペア用E26系客車、キハ2000系、キハ281系キハ283系キハ261系HOT7000系レールバス等、日本国内の鉄道車両計10,299両を製造)・航空機部品生産拠点として展開してきたが、2002年末に鉄道車両生産から撤退し、航空宇宙部門にシフトし、航空機生産・風力発電機器生産を行っている。
市北部(上戸祭、徳次郎)
ソニーのAV部門であるアイワの宇都宮工場(1960年開所、市内上戸祭)および宇都宮北工場(1975年開所、市内徳次郎町)があったが、現在はアイラインのテクノセンターとなっている。

▼商業
宇都宮市の2004年の年間商品販売額は2兆5千億円を越え、栃木県全体の年間商品販売額の45%程度を宇都宮市だけで売り上げている。また小売業の売り場面積は約66万平米で、栃木県全体の約1/4にあたる。このうちの約半数は本庁管内で占め、宇都宮市は栃木県下における重要な商業の中核地となっている。

中心市街地は市内を流れる田川の西岸の旧市内に形成されており、多種多様の商業施設が林立している。特に二荒山神社東武宇都宮駅の間にあるアーケード街「オリオン通り」は繁華街の中心となっている。田川東岸にあって市外からの玄関地として発展しているJR宇都宮駅周辺の商業施設は商種が限定的で比較的小規模である。オリオン通りの西側にはレコード店や古着屋などが立ち並ぶ「ユニオン通り」があり、若年層を惹き付けている。 百貨店も都心型が東武宇都宮駅にある東武宇都宮百貨店のみで、郊外型百貨店が福田屋ショッピングプラザ宇都宮店とFKDショッピングモール宇都宮インターパーク店の2店舗で、モータリゼーションに伴う小売業の郊外化が非常に進展している街である。

また、カクテル作りの腕を競う国内大会で優勝したバーテンダーが多く所在する事から、「カクテルの街」としても売り出している。ジャズサックス奏者・渡辺貞夫の出身地である事から、「ジャズの街」での宣伝も始まっている。