宇都宮の商圏

2004年の調査結果によると、宇都宮市の商圏は宇都宮市およびその近隣自治体の他、大型商業施設が無い県北西部・県東部地区の比較的離れた自治体も、この域内に入っている。宇都宮市商圏の概容は以下のとおり。

▼大規模商業施設
第二次大戦後、市内の百貨店は地場資本の老舗「上野百貨店」と「山崎百貨店」で、2店を中心に繁華街が形成されていった。1960年代に入り地場の福田屋が百貨店を出店したほか電鉄系を中心とした東京の大手資本が次々に参入、馬場町から池上町付近には最大で6つの百貨店(上野、山崎、東武、福田屋、十字屋、西武)や丸井、緑屋など大型店が林立し、全国有数のオーバーストア地区となった。激戦に巻き込まれた山崎は1971年に東急百貨店と業務提携、生き残りを図ったが実を結ばず、3年後に閉店している(旧山崎跡に緑屋が曲師町から移転し入居)。バブル経済最盛期の1987年には十字屋が売り上げ不振を理由に百貨店から専門店に業態変更、2館体制だった丸井も売場拡大は困難として撤退した。

1991年には繁華街から1km程東方に位置するJR宇都宮駅前の再開発ビルにイトーヨーカドー系のロビンソンが開店している。

バブル経済が破綻した後、1994年5月1日の大型小売店舗法改正では大型店舗の規制要件が緩和され、福田屋は中心市街地(馬場通り二丁目)から市街地北部の準郊外(今泉町)に移転し、無料駐車場を備えた大規模ショッピングセンター「福田屋ショッピングプラザ宇都宮店」を開店し成功を収めた。 一方、中心市街地では1997年に二荒山神社前のバンバ相生地区が再開発され、ファッションビルの宇都宮パルコが開店した。パルコは初年度こそ低迷したが若年層を中心に客層を確保し一定の成功を収めている。しかし、2000年には上野が倒産し、2002年に西武、2003年にロビンソンが撤退。2001年、ams宇都宮(旧山崎、旧緑屋=江野町)跡に出店した109UTSUNOMIYAもわずか4年後の2005年に閉店し、大型店の淘汰が進む繁華街空洞化の象徴と言われた。

市ではこれら大型店の撤退を契機に、大規模店舗跡への出店要件を簡素化する構造改革特区「宇都宮にぎわい特区」を国に申請、2003年11月20日には特区適用第一号の[ドンキホーテ]を西武百貨店跡地に、また2005年4月8日には適用第二号のララスクエア宇都宮を旧ロビンソン跡地に誘致することに成功している。

現在、本庁管内(旧市内地域)にある大規模商業施設は、東武、パルコ、長崎屋、ララスクエア、FKD(福田屋ショッピングプラザ宇都宮店(今泉町)、トライアル、カルナショッピングセンター等に限られているが、近年開発が進んでいる駅東地区や、郊外を走る宇都宮環状道路沿線にも大規模商業施設が拡大しており、FKD(FKDショッピングモール宇都宮インターパーク店インターパーク)、ベルモール(陽東六丁目)、ジョイフル本田(住所は河内郡上三川町)、アピタ(江曽島本町)等が開店し、競争はむしろ激化している。中でも市南部の宇都宮上三川IC周辺に整備された商業流通団地「インターパーク宇都宮南」にはFKDショッピングモール宇都宮インターパーク店とジョイフル本田などが立地し、栃木県内屈指の大規模店舗集積地となっている。2007年7月31日には市街地再開発の一環として、旧上野本館跡を含む馬場通り中央地区に「うつのみや表参道スクエア」がオープンした。

▼餃子専門店
市内には餃子を扱う飲食店が専門店を含めて約二百軒あり、「餃子の街」として全国的に有名である。なお、2005年7月には、ジャスコ宇都宮店跡地(簗瀬町)に昭和30年代の内装を施したフードテーマパーク「宇都宮餃子共和国」がオープンしたが、市街地への餃子関連施設集積化などの意図もあり、2006年6月30日をもって撤退している。

▼家電量販店
宇都宮は大型家電量販店の発祥の地であり、現在もコジマが星が丘に本社を置いている。当初はヌマニウも家電量販店を展開していたが、バブル崩壊の後のコジマの全国展開および株式上場、またケーズデンキヤマダ電機の宇都宮出店などに押され撤退した。現在はJR宇都宮駅前にヨドバシカメラが、また市東部・南部地区にはベスト電器が出店し、競争はますます激化している。

市内の主な家電量販店舗は以下のとおり。なお、家電量販店ではないが、AV機器等を取り扱う写真用品店も併記する。

▼交通
路線バス交通を中心に市内の公共交通が整備されている。また、市内にあるJR宇都宮駅の利用者数は、栃木県最多で、JR東日本の管轄下では120位。

航空
市内に空港は無く、東京国際空港、成田空港、福島空港が最も近隣の空港となる。うち、羽田空港には関東自動車、東野交通および東京空港交通のリムジンバスが、また成田空港には関東自動車千葉交通のリムジンバスが、それぞれ直接乗り入れている。福島空港に直接乗り入れる宇都宮市内発着の公共交通機関は無く、JR東北新幹線東北本線郡山駅から福島交通のリムジンバス利用となる(福島空港と日光・鬼怒川温泉を結ぶ路線バスが市内山王団地経由で運行されたことがあるが、利用率が悪く試験運行のみで終了した)。

在来線利用の場合、昼間は宇都宮〜赤羽間で湘南新宿ライン快速を利用し、赤羽駅京浜東北線快速と乗り換えると便利である。
羽田空港・成田空港は航空会社によってターミナルビルが異なるので所要時間・発着順番が異なる。
福島空港間では1名5,000円で乗り合いタクシーが利用できる。
上記表運賃幅は、自由席利用時と繁忙期指定席利用時を示している。